3月4日、全日本野球協会、日本整形外科学会、運動器の10年・日本協会が全国の少年野球チームの小学生を対象に実施した調査の結果が発表された。調査によれば、回答した選手の約6割がこれまでに何らかの痛みを感じたことがあり、投手に次いで捕手にも肩肘痛が多く、1週間の全力投球数100球を境にして差がある傾向が出ているとのことである。

野球は小学生にも人気が高いが、小中学生の段階で肩肘を故障し継続を断念する優秀な選手が後を絶たないと言われている。にもかかわらず、これまで有効な対策が十分にとられてこなかったことは残念といわなければならない。高校野球ではタイブレーク制が試験的に導入されるが、今回のみならず、今後も科学的・実証的な調査・研究を重ねていき、投球制限などの障害を予防する手立てを早期に確立することが求められる。

野球は、大人になっても長く楽しめる競技である。筆者も同業者の草野球チームで17年間プレーした。故障が原因で小中学生のうちに野球から離れてしまうという事態は、ぜひとも防がなくてはならない。多くの人が長く野球を楽しめるよう、適切な指導方法が確立され普及することを望む。

弁護士 伊東卓

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