このたび、2026年6月25日付で、一般社団法人日本スポーツ法支援・研究センターの会長に就任いたしました。
歴代会長をはじめ、これまでセンターの活動を支えてこられた皆様に深く敬意を表するとともに、その歩みを受け継ぎ、センターの一層の発展に努めてまいります。

スポーツは、人々の心身の健康や成長を支え、感動や交流を生み、地域や社会を豊かにする大きな力を持っています。その価値は、スポーツに関わる一人ひとりの尊厳と権利が守られ、安全かつ公正な環境が確保されてこそ、十分に発揮されます。
今日、スポーツを取り巻く環境は大きく変化しています。暴力・ハラスメントやインターネット上の誹謗中傷への対応、競技の公正性の確保、スポーツ団体のガバナンスと説明責任、気候変動に伴う安全対策、デジタル技術・AI・データの活用など、法的・社会的な課題は複雑化し、相互に関連するようになっています。
スポーツの自治は、法、公正な手続及び説明責任によって支えられてこそ、社会の信頼を得て、その力を発揮することができます。私たちには、問題が生じた後に対応するだけでなく、問題を未然に防ぎ、よりよいルールと仕組みをスポーツ界とともにつくっていく役割が求められています。

当センターは、これまで、スポーツに関する法律相談、日本スポーツ協会の暴力行為等相談窓口に関する受託業務、スポーツ団体のガバナンス強化や相談窓口運営の支援、スポーツ事故の予防、各種研修、調査研究及び情報発信など、多様な事業に取り組んできました。

今後は、特に三つの方向を重視します。

第一に、スポーツに関わる人々が、問題を一人で抱え込むことなく、必要な支援へ適切につながることのできる環境を整えます。競技者、指導者、保護者、役職員その他の関係者の声に丁寧に向き合い、それぞれの権利利益と安全の確保を支援します。

第二に、スポーツ団体の自主性を尊重しながら、ガバナンス、コンプライアンス、相談・通報制度、紛争解決及び事故予防などの体制整備を支援します。個別の問題への対応にとどまらず、その背景にある組織上の課題を見極め、再発防止と持続的な組織運営につなげます。

第三に、実務と研究の循環を強化します。現場で得られた知見を調査研究、研修及び提言へ還元するとともに、国内外の制度や実務、新たな技術がもたらす課題を継続的に検討し、スポーツ界に広く発信します。
そのために、当センター自身も、各事業の目的と責任体制を明確にし、透明で持続可能な運営基盤を整えてまいります。また、スポーツ団体、国・地方公共団体、法曹、研究者その他の専門家との連携を深め、分野や組織の垣根を越えた支援と研究を進めます。
スポーツ界の変化に伴走しながら、一歩先の課題を捉え、具体的な解決の選択肢を示すことのできるセンターを目指します。スポーツに関わるすべての人が、尊厳と権利を守られ、安心してスポーツに親しみ、挑戦し、支えることのできる社会の実現に向けて、皆様とともに歩んでまいります。
今後とも、当センターの活動にご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2026年8月
一般社団法人日本スポーツ法支援・研究センター
会長・代表理事 大橋 卓生